本作品は、2021年2月に上演した舞台手話通訳付きリーディング公演『凛然グッドバイ』の創作の過程と上演の記録映像をもとに、視覚障がい者のための音声ガイドを作る試みを追ったドキュメンタリー映画です。舞台手話通訳とはどのようなものなのか。そして、多くの人を巻き込んで、より様々な人々とひとつの表現を分かち合おうと取り組む音声ガイド作成プロジェクトの様子を、ぜひご覧ください。
【公演概要】
東京都北区田端にある小さな映画館シネマ・チュプキ・タバタ。ここは見えない人、聴こえない人、車いすの人、小さなお子様を連れた人、誰でも一緒に映画を楽しむことができる日本で唯一のユニバーサルシアター。上映する全ての映画に音声ガイドと字幕をつけている。
そんな映画館にある相談が持ち込まれた。演劇を、耳の聴こえない人にも楽しんでもらうため、「舞台手話通訳」に挑んだ3人の記録。その映像を目の見えない人にも伝えられないか?
見えない人に「手話」を伝えるには―― 見える人、見えない人、個性豊かなメンバーを集めて「音声ガイド」づくりが始まった。ちょっと無茶なアイデアから、聴こえない人、見えない人の対話が生まれ、互いに知らなかったことに気づいていく。壁にぶつかりながらも、音声ガイドを創り上げていく「諦めない」メンバーたち。それぞれの架け橋になろうとして、より透き通っていく通訳者たちの想いは、いつしか言語を超え、障害のあるなしを超えて、<こころ>を渡していく通訳の本質に迫っていく。果たして、人を介した“こころのバトン”は渡せるのだろうか?