今年のあいちアール・ブリュット障害者アーツ展は、昨年の第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会の成果を受けて、舞台・ステージ発表が充実。また、愛知労働局主催の障害者雇用促進セミナーと併催し、盛りだくさんなプログラムのなかの一つとして公演することで、多くの方に、障害のある人の生き生きとした姿、音楽やダンスを真剣に楽しむ姿を見ていただくことができました。
あいちアール・ブリュット舞台・ステージ発表は9月14日(木)から15日(金)の2日間にわたり開催。
まず初日は、ダンス公演『親指王子』。「親指王子」は、昨年の全国大会で作り上げたオリジナル舞台です。親指王子とそれを取り巻くカエル、コガネムシ、魚、リス、ノウサギ、ノネズミ、モグラ、花の妖精になった個性豊かなメンバーが、多彩なシーンを次々と繰り広げました。今回は15分のダイジェスト版でしたが、カラフルな衣装と出演者の笑顔は会場を華やかに彩り、短い時間にもかかわらず「親指王子」の世界観を見事に表現してくれました。
(親指王子)
2日目は、『ポパイ座銀河団』によるバンドステージ。「ポパイ座銀河団」は、認定NPO法人ポパイの利用者さんと職員さんで結成されたオリジナルバンドです。公演前日14日には、中日新聞でも紹介された注目バンドで、演奏する前から、お客さんによるメンバーコールがあり人気の高さがうかがえました。リズミカルで乗りのいい曲に、手拍子や歓声が合わさり、会場は次第にヒートアップ…メンバーが一斉に上へと指を突き上げるポーズのときには観客も一緒になり、興奮は最高潮に!ポパイ座銀河団の放つ光に皆の心が包まれた瞬間でした。
(左・中:ポパイ座銀河団、右:中日新聞掲載記事)
あわせて舞台では、「ドロップスキャラバン隊in名古屋」と「NPO法人法人愛知県難聴・中途失聴者協会」による講演もありました。発達障害者の見え方・聞こえ方体験や筆談体験などを交えながら分かりやすく障害についてお話しいただいたので、ご来場の皆様も障害への理解が深まったことと思います。
劇場のロビーでは、授産製品の展示や名古屋・岡崎盲学校2校共同によるクイックマッサージ体験「あなたの会社にいやしを提供する場をつくり隊」がありました。
クッキー、ハンカチ、メモ帳、エコバッグなどジャンルを問わずに展示された授産製品は、一般の商品と遜色ないステキなものたちばかり。今回はその中から、ランダムに抜粋したものを詰め合わせ、来場者全員に粗品としてプレゼント。来場された方たちは興味津々で、「どこで作ってるの?」「おいしそう!」と注目の的でした。
また、クイックマッサージは、セミナーの休憩時間には行列ができるほどの大盛況ぶり!盲学校の皆さんの手腕は国に認められた本物の技術で、その名のとおり、ロビーに癒やしの空間が誕生しました。
(左:授産製品の展示、右:クイックマッサージ)
この機会に多くの方に障害福祉施設等で作られた製品を知っていただき、企業ノベルティや粗品としてご活用していただくことで、工賃向上につながればいいなと思います。
また、障害のある方も同じように舞台やステージを楽しんでいることを感じ、障害のある方もない方も変わらないんだということを知っていただければと思いました。